釣り


小学生の頃は釣りが大好きだった。
当時はバスフィッシングが流行っていて、親にねだって釣り竿を買ってもらった。
近所の釣具屋でリール付き3000円くらいのやっすいグラスロッドだったかな。
自分の釣り竿が手に入ったことが嬉しくて、部屋の中でひとしきりニヤニヤ眺めてワクワクしてた。
とにかく竿を振ってみたいと思ってさっそく外に持ち出したんだけど、玄関を出るときにドアに竿の穂先を挟んで折っちゃったんだよね。
あのときほど人生の悲劇と無情さを感じたことはないよね。

結局もう1本買ってもらって色んな魚を釣りに行った。
堤防のサビキでアジ、サバ、イワシをクーラーいっぱい釣ってたっけ。
バスもいっぱい釣った。あんまり大きなサイズは釣れなかったけどね。
初めてバスが掛かったときはすごく興奮したし、こんな玩具みたいなルアーでほんとに釣れるんだ、とびっくりもした。
ブラクリでカサゴやメバル、アイナメを釣るのも楽しかったし、砂浜の投釣りもダイナミックで面白かった。
今思うとよくもまあただのバスロッドでいろんな釣りに挑戦したなあと思う。
小学生なりに研究まがいの事もやってたね。その日の天候やら時間やら温度まで調べてさ。
ノートを持っていって絵を書きながらどのへんで釣れたとかどんなルアーで釣れたとか。
もうそのノートもどっか行っちゃったけど、今見返すと多分めっちゃ面白いんだろうな。
その頃は図書館で釣りに関する本やら魚の生態に関する本も読み漁ってた。
学校のテストは時間が余ってたからいっつも裏面にヘッタクソな魚の絵を書いてたね。
自作ルアーも作ってたっけ。結局うまく泳がなくて捨てちゃったけど。
中学高校になると、その時期特有の自意識過剰のせいでだんだん釣りに行かなくなっちゃったんだよね。
釣り竿担いで自転車で必死に走ってる自分を他人に見られたくなくて。

30歳超えてその頃を思い出すとめちゃくちゃ楽しかったなぁ、という記憶。
それからその頃からオタク気質だったんだなぁという謎の自尊心が芽生える。
ルアー作りを再開しようか。あの頃よりうまくきれいに作れたらいいな。
自作ルアーで釣った魚は多分世界で一番誇らしいんだろうな。





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